熱海旅行2017.5.20~19

※この記事は過去の旅日記からサルベージされました。

 

ずっと行きたかった熱海に一泊二日で旅行した。
品川から熱海行きの電車に乗る。車内でSと落ち合う。
2階建ての電車にのるのははじめてで、それだけでそわそわワクワクする。

東京から熱海までは2時間くらいで着いてしまうのであっという間だ。それでも都会のビル群から山や海の景色に車窓が移り変わっていくのを見ているのは楽しかった。

熱海に付き、最初の目的地へ。
有名な洋食店、スコット。開店前に着いたけどすでに行列ができていた。さすが人気店。
30分くらい待ったのかな?食べ物の名前しりとりをしていたらあっという間だった。Sは食べ物の語彙が少なくて面白かった。
スコットのハンバーグは評判通り、ふんわりしてて美味しかった。パンもうまいし。食器もオリジナルでかわいらしい。
というか店員さん含めお店の雰囲気も気取らない街の洋食屋って感じでかわいかった。テーブルに一つ一つ折り紙で折った花とか飾ってあった。
他のお客さんも中年夫婦二人でデートしてる感じだったりして微笑ましかったんだよな。すぐ隣のテーブルで旦那さんがいちいち奥さんの写真撮っててかわいかった。

スコットを出るともう海岸沿いがすぐそこ。海浜公園みたいになっているからそこを歩く。
するとでかでかとソープランドの看板が出てたからそこで写真撮ってた。そしたらさっきスコットにいたお客さんが「写真撮ってあげよう」と声かけてくれて写真撮ってくれた。ソープランドをバックに。めっちゃ満面の笑顔になった…。

10分かそこら歩いて次なる目的地、秘宝館のロープウェイ下に到着。
もはや有名すぎるB級スポットだが、ここを外すわけにはいくまい。
ロープウェイ乗り場がちょっとしたゲームコーナーになっていてテンション上がる。
ロープウェイには私達の他にも若いカップルや、男同士の友達も何組かいた。というか、男同士で来てゲラゲラ笑ってるやつ多すぎた…。あ〜(察し)って感じになってしまった。大声で騒いでる男子グループいると大抵の観光地の魅力は半減してしまう。

秘宝館は自体は一言で言えば秘宝館界のミスチルって感じだった。
お土産物コーナーでプリクラ撮って、コーラ飲んで一服する。熱海の景色を一望する。
チルってから再びロープウェイで外界へ。
秘宝館はホテルが観光バブルの時代にホテルとセット売りするために作ったアミューズメント施設らしいけど、ロープウェイで登らないと着かないところとか隠しステージっぽさあるのがいい。温泉と海以外とくに観光資源がない熱海をワンダーランド化するいい装置になってる気がする。

秘宝館の後は特に行く場所もないので旅館にチェックインすることにする。
立花という温泉旅館で秘宝館と駅の中間地点くらいにある。ちょっと建物は古かったけど雰囲気は悪くないかな。低階層だったので部屋からの眺めは素っ気なかったが…。
お風呂は◎。熱海の泉質、すごくいい感じ。入った後お肌がしっとりすべすべになった。大浴場と露天風呂も最上階にある。
晩御飯は旅館の食事って感じ。美味しかったけどおせっかいな女将には辟易としてしまった。Sは可愛がられていたけど、わたしは口うるさくあれこれ言われたのがちょっとイヤだった。
ご飯の後、夜の熱海に繰り出す。
熱海と言えば、なスマートボールへ。パチンコと射的でひと通り遊ぶ。射的でわたしもSも景品をもらったけど、メガネを置く台っていうどうしていいかわからないものだった。旅行のあとどっかに紛失した。
ストリップショーを観てみたかったけど一歩踏み出す勇気がなくて入れなかった。
スナックの看板を眺めたりしてぶらぶら遠回りして旅館まで戻る。

露天風呂に入って汗を流し、浴衣に着替えて、綺麗にセットされた布団の上でチル。最高に気持ちがいい。
いい気分で眠りについた。

次の日の朝。目覚めて朝一番の露天風呂へ。ほとんど人もいなく、ゆっくり浸かれた。朝の日の中でキラキラの温泉。天国だった。
部屋に帰ってくるともう布団も片付けられていて朝食の時間。女将はおせっかいだが旅館の朝食はいつだって素晴らしい。

チェックアウト後は気になっていた「パインツリー」という喫茶店へ。ここは全国的にも珍しい、ゲーム筐体のテーブルが今も現役で残っている喫茶店なのだ。
テトリスの台に座れたのでSと交代でテトリスをする。店のたたずまいも、内観もメニューの豊富さもすばらしい喫茶店だった。
どこに行こうかって話をしてたら店のママに話しかけられる。
「どこに行ってきたの?」
「秘宝館です」
「秘宝館ね〜。若い人達好きね〜」


パインツリーの後は海を見に海浜公園へ行って日陰で海を眺める。平和な日曜日の光景。 熱海の急勾配な坂を登りながら駅を目指す。ホテルや住宅の合間の小道を歩くのも楽しい。
熱海ってその「熱い海」と書く字面もそうだけど、そこはかとなくトロピカルさがある。かつ、非日常のワンダーランド。この坂道の多さもそれに一役買っている気がする。風俗ビルやストリップショー、スマートボールに筐体のある喫茶店……それらもすべて時間の流れに影響せず存在し続ける、平行世界のもののような感じがする。
駅で電車の指定席券を買ってから昼ごはんをどこかで済ませることにする。
最後にどこか気になったところに行こうということになって、昨日スコットに行くまでに見かけた「黒んぼ」という喫茶店に入ることにした。
昔は多かったらしい「黒んぼ」という名の店も今はかなり少なくなってしまったらしい。熱海の「黒んぼ」はその中でも有名なお店だ。
そういえばわたしは静岡県出身なのですが、静岡には「くろんぼ」という名前の店が多いらしい。昔も何かの時に親が「◯◯にあるくろんぼが〜」と店名を出していたことがあった気がする。また何かの折りに聞いてみよう。
さて、熱海の「黒んぼ」は地下にカウンターとテーブルの席があるタイプのお店だった。喫茶店というよりバーっぽい雰囲気。先客で地元の方っぽいおじさんがいた。メニューはどれもソソられたけどわたしはナポリタンを注文した。600円くらいだったと思う。
先客のおじさんと店のママさんに話しかけられ、世間話をする。またもやどこに行ったのかと聞かれ、「秘宝館に」と応える。ママさんは「わたし一回も行ったことないのよ〜」と言っていた。やはり観光客のためのものなんだろうな。
「熱海、いいところですね」
「坂が多いでしょう?」
「多いですね。地元の人は大変ですね」
「よく言われるけど、もう慣れちゃった!」
明るいママさんだった。
熱海の人はどうも人懐っこい。
静岡県だけど、静岡っていうより神奈川の文化圏だと思う。というか、南国基質なんだと思う。
ナポリタンを平らげて店を後にする。また来ることがあればコーヒーも味わいたい。

お土産物屋を覗きながら駅に戻る。商店街を出たところにある「五月みどりの店」も入ってみる。おばファンシー。
商店街のお土産物屋で鉾八のひとくちかまぼこを買う。私的鉄板の東海道沿い土産物である。どの味も好きなのでバリューパックみたいな全種類入ってるやつにした。
お土産物を買った後もまだ時間に余裕があったので駅前の「レストラン フルヤ」に入る。熱海駅を出ると目につく、オレンジと白のストライプのお店です。白浜も駅前にこんなレストランがあった。温泉観光地の定番なのだろうか。
レトロなたたずまいでなんともかわいらしい。こんな店にふさわしいレトロなクリームソーダを注文しました。Sは伊豆限定ビールとやらを飲んでいた。
ほどほどに疲労を感じながらも旅の満足を感じていた。

特急踊り子号に乗って東京に戻る。この電車も、旅行って感じの特別感を感じる車両で素敵だったな。
Sが隣でいびきをかいているのをききながら、かまぼこをかじり、また日常に戻る準備をする。