ニシノユキヒコの恋と冒険
※この記事は過去ブログからサルベージされました。
久しぶりに映画。
ニシノユキヒコの恋と冒険を見てきました!
見終わった後に誰もがニシノユキヒコに恋をしてしまう映画だと思います。
昨年の邦画の大名作「横道世之介」を思い出した人も多いのではないでしょうか。
あの映画もいまはいなくなってしまった人を追憶するという映画でした。
そして、見終わった後は誰もが世之介さんと友達だったような気分になってしまうという。
女の人をみんな虜にしてしまうニシノユキヒコさん。そのキャラクターの説得力が竹野内豊という役者の魅力を存分に引き出すことで説得力を持たせていました。
松山ケンイチなんかと違って、竹野内豊ってそこまで器用な人ではないと思うんですが、それがかえって役者自身の生身の身体性を引き立てていてよかった。
セリフをとちってもあえてNGにしないで採用しているんですよね。そこでリアリティが生まれる。
それから、ひとつひとつのカットが長い!冗長と言われてもしかたないくらいいちいち長めにとっている。それによって身体のどうしようもない動きとか、感情とかが観客に伝わってくる。
観客もみていて居心地が悪くなるくらいの間延び。手持ち無沙汰でもじもじしてしまって。それによって普通の映画ではこぼれ落ちていたものが掬い取られている。
そして竹野内豊演じるニシノユキヒコの魅力というのがなにより大きい。この人は女性に対して絶対にノーと言わない。だからどうしようもなくモテてしまう。女性が何を求めているかわかってしまう。
「持とうか」と聞くと女性は絶対に「いえ、大丈夫です」と答える。しかし何度も荷物を落とす。そのたびにニシノさんは「持ちましょうか」ときき、「いえ」と断られ・・・でも、最終的にやっぱりニシノさんは荷物を持ってあげている。
女性の「いえ、大丈夫です」は「お願いします」だということを知っているんですね。でも、そこにある意地やプライドもわかってる。それを傷つけないスマートな方法で「荷物を持ってあげる」方法をこの男性は知っている。
「今日は家には寄りません」って女性がいえばすぐに引き下がる。女性にとってはそれが少し物足りない。でも、ニシノさんは絶対に何かを強要することはない。それが女性の気を引く要因のひとつであり、ふられる理由のひとつでもあるのだろう。
言動もだけど、ふるまい、挙措動作がいちいち魅力的なんだよね。階段を一段とばしに登って行くとか。
なんといってもあの紅茶を入れるシーンだろう。その前のたまちゃんとのやりとりも良かったんだけど、紅茶の入れ方!ちょっと雑で荒っぽくて危なっかしいんだけど一滴もこぼすことなく大きな手であっという間に二人分の紅茶を入れてしまう。女ってのは男のそういうところに惚れてしまうんだよなあってしみじみしてしまったのでした。
もちろん女性陣もみんな魅力的だった。とくに、中村ゆりかちゃんかわいかったなあ。
衣装もよかったね。主題歌も、泣いてしまう。
もう一回みたい、素晴らしい、大傑作でした!拍手!!
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