2020年8月27日

調べ物があって無医村について調べていたら上小阿仁村に行き当たった。

上小阿仁村といえばマタギの村として有名で、ゴールデンカムイの谷垣も阿仁出身の阿仁マタギだ。

Wikipediaによるとマタギが集落に住みついてそこでコミュニティーを形成していったそうなので(マタギは集団で行動する)正真正銘のマタギの村ということになる。

ja.wikipedia.org

マタギによって栄えた集落だったが、高度経済成長期に若者が都市部に流出したことによってマタギをする者も少なくなり、阿仁の最後の古老マタギ、佐藤良蔵は自ら警察署に鉄砲を返納し、事実上マタギは消滅したのだという。

で、この上小阿仁村っていうのはゼロ年代にかけて人口あたりの高い自殺率を記録したり、診療所にやってくる医者がなかなか定着せず、立て続けに村を出て行ったりするなど何かと曰くがあるらしい。

ネット上でも検索のサジェストでひどい罵詈雑言が並ぶ。

都会からやってきた高給取りの医者が気に食わないっていうのはもしかしたらあるかもしれないし、高齢化が否応なく進むし、確かに閉鎖的なんだろう。でもここに住んでいる人たちはかつて身をたてる術を奪われた側の人たちっていうのも確かなんだろうな、とここ最近マタギ関連の文献に偶然にもあたっているからこそ思ったりもする。

今、狐憑きに関する本も読んでいるので、田舎の人が立場の違う人(得てして脅威となるような立場の強い存在)をカテゴライズして自分たちの身を守ろうとする共同体の働きみたいなものもみえてきたりする。