Orga(ni)sm/阿部和重
2019年に読む最後の一冊になるかな、と思ってたら読み終わらず、2020年最初に読み終わる一冊になった。
阿部和重の「Orga(ni)sm」
神町サーガ最後の一冊。シンセミア、ピストルズと読んできたけど、正直言ってほとんど覚えてなくて、それでも十分に楽しむことができた。
ハードカバーで800ページ越えの本は久々だったかもしれない。それでも苦痛になることはなく、最後までずっと読んでいたいと思える一冊だった。
小説家、阿部和重が3歳の息子と一緒に妻不在の家にいると大怪我をした自称CIAの諜報部員が助けを求めて転がり込んできた…。
日常から非日常へのダイナミズムがすごい。し、幼児を抱えているとこんなにもリアルな生活感がすぐそばに感じられるのかというのもいい仕掛けだったと思う。
クライマックスにもその仕掛けが多いに役立っている。
諜報部員と小説家という二大大嘘つきによるバディものでもあった。
スケールの大きさやストーリーテリングはハリウッドムービーそのもの。ぜひとも映画化してほしいものです。阿部和重役は森山未来あたりかな…。