2021年5月21日
蒸しますなあ。
夕方近所に買い物に行ったらむしっとしてて不快指数高めな大気だった。
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古畑任三郎のいけすかないマイペース野郎イチローの後編と松嶋菜々子のファイナル回をみた。
イチロー、散々ネタになってるからどんな感じなのかと思いきやちゃんと演技のテンポとか濃度を田村正和に寄せててすごいなと思った。河川敷での言葉の応酬とかめちゃくちゃスリリングかつスタイリッシュだった。
松嶋菜々子のどっからどうみてもファムファタルなのも凄い。ファイナルに相応しい女性犯人。追うものと追われるものというラブアフェア回でもあったなあ。
この間のアガサクリスティのリメイクをみても思ったけど三谷幸喜の古典ミステリへの愛情を感じる。
オープニングは市川崑の金田一的なモダニズムで当時としてはちょっと古いセンスなんだろうけどそれが却っていい。古畑が自転車乗ってるのとかコートはためかせてるのも金田一っぽい。
そしてもちろんコロンボでもあるんだけど、それはどうしてもテレビドラマシリーズだとゲスト俳優が犯人じゃんってメタ的にネタバレしちゃうからこういう構造がとられるんだと思う。三谷幸喜の演劇的な脚本術もある。脚本家として探偵という存在にはただの作中のキャラクターをさせるのではなく作家と作品の合間にいる役割を担わせたいという思いがあるだろうし探偵のそういうところに魅力を感じているのだろうからああやってメタ的に「視聴者への挑戦状」を語らせるのだろうな。
クリスティのリメイクでポアロが元ネタであろうスグロという探偵を野村萬斎が演じてて「こんな喋り方するやついねえだろ!」と思ったんだけどちょうどついこの間『アクロイド殺し』を読んだらポアロが本当に野村萬斎が演じていたように喋っていた、というか野村萬斎のあの喋りで脳内再生されたので、三谷幸喜のポアロ解釈と野村萬斎のそれを汲み取る能力すげえと思いました。もちろん野村萬斎は古畑任三郎という探偵役が先行していたからこそああいうキャラクターを演じることができたんだろうけど。
アクロイド殺しの三谷版で『黒井戸殺し』っていうのがあるらしいのでそちら機会があればみてみたいものです。
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なんて古畑任三郎について熱く語ってしまったがBTSの新曲、『butter』が良すぎてもうMV20回くらいみて多幸感に満たされて今日一日はオールオッケーになったんだよね。