中原昌也「映画の頭脳破壊」

(※この記事は過去ブログからサルベージされました)

先日の天神さんの古本市で買った中原昌也の「映画の頭脳破壊」を読みました。

 
最近めっきり映画をみていないのでこうして映画好きたちが映画のはなしを熱心にしているのを読むと自分も映画みたくなってきますね。
 
青山真治のhelplessやエウレカサッドヴァケイション一連の作品についての話や、わたしも大好きな映画、クエンティンタランティーノの「デスプルーフ」についてのはなしなんかが特に楽しく読みましたね。
 
なかでも一番良かった対談はラストの金井美恵子との回とその後の金井美恵子の姉、金井久美子を交えた回が良かった。
 
金井姉妹、お姉さんの方はあまり存じてなかったですが、彼女も相当映画好きなんですね〜。しかも姉妹二人ともシネフィルというマチズモな文化の中で共闘してる感じがしてかっこいいですね。
姉妹ふたりに挟まれてステレオのように左右からからかわれてしどろもどろになってる中原昌也を想像して微笑んでしまった。
 
しかもわたしの好きな井口奈己監督の「人のセックスを笑うな」について鼎談しているのです。この映画に対する「女のアクション映画」ってい評価に納得。画面の動きと登場人物の動きがとにかく自然で、魅力されてしまう映画なんですよね。
 
 
金井美恵子中原昌也と仲良いのは知ってたけど、二人がこうして話してるのよんだのはじめて。
わたしは二人はよく似た作家だと思っています。
二人とも書くことに対して潔癖性的というか、真摯さと懐疑を持ち合わせていて、でも書かざるを得ないという諦念に突き動かされている人だと思う。
 
金井美恵子はやっぱり本当に好きだなぁと改めて思った。この人のように在りたいと思える数少ないひとだな。
 

 

映画の頭脳破壊

映画の頭脳破壊